幽霊に憑かれてた友人の話
思い出しながら順に書くので長くなるが聞いてくれると嬉しい
明日のために頭の整理をしたいが1人で黙々と考えたくなかった
拙い文章だが許してくれ
以下、2chの反応
5年程前、俺が大学生だった頃 中学時代から仲のいい男友達Aがいた
Aは大人しい性格の優しい奴
俺は無個性極まりない感じで特筆できることはない
ある日講義が終わって誰もいない講義堂にAが1人座っていた
でも誰かと話してるんだよな
いくら親友とはいえ気味悪く思った
俺は声を掛けようとしたが何を話してるのか気になって、こっそり聞き耳をたてる
そうしたら許してって何度も言ってるんだよ
頭を抱えて絞り出すような声で
俺はただ事じゃないって焦って、急いで声を掛けに行ったがAは顔面蒼白ながらも大丈夫の一点張り
終いには悪い夢を見たって誤魔化し始めた
その時には深く追求するのも憚れて内心ビビりながらもそれならいいんだ、と話を済ませてしまった
今思えば馬鹿馬鹿しいんだが、俺はAが誰かを殺してその罪の意識に苦しんでると思った
推理小説ばかり読み耽ってたからそんな考えに至ったんだろうな でもすぐにそうではないと知ることになる
俺とAともう1人Bっていう女友達3人でよく一緒にいて、そのBは実家がお寺だ
そのBがAからヤバイことしちゃったかもって相談されたと俺に助けを求めてきた
もちろんBに相談したってことは霊的なトラブル
でもBは寺を継ぐこともなければ霊感があるわけではない かといって俺にもないんだけどな
Bから詳しく事情を聞くと、どうやら何か降霊術の類でも試したっぽくて何かに憑かれた可能性が高いと 何故に推測って疑問に思ったんだがAがあまり詳しく話したがらないらしい
Aの様子がおかしいのは実際に俺も見て放っておくのは危ないと思った その日に困ってるなら飲みながら話さないかと誘うとすんなりとAは頷く
俺はてっきり断ると思っていた
大学を出て駅前の安い居酒屋へ行った
Aはしばらく押し黙っていたが酒が回ってくると少しづつ話し始める いろいろわからなくなってしまったところもあるが要約して書く
1ヶ月前、亡くなったばかりの祖母の家に掃除をしに行った Aの分担場所は2階でしばらく1人で掃除
2階、とは言っても古い家だから天井は低いわ害獣はいるわ大変だったらしい そしてタンスを動かした時に裏から紙が出てきたんだと
Aは後で捨てようとポケットに突っ込んで忘れてそのまま持って帰った
家で紙を確かめると降霊術っぽい何かの手順が書いてあって好奇心に負けて試したらしい
所詮父か誰かの考えた遊びだろうと思ってたら本物だったって
俺がなんで本物だってわかったのか尋ねると、だってずっとついてくるって怯えた様子を見せた
Aはこういった経緯は話してくれたが肝心の所は言葉を濁す
手順も何がついてくるのかも教えてはくれなかった
それでも素人の俺達がどう足掻こうがどうにもできないってことはわかる
結局Bが父親に連絡を取ってくれて数週間後のお盆に会ってお祓いをしてもらうことになった
会いに行くまでの間、俺は降霊術のことを調べていた
Aの口ぶりからして有名どころじゃないんだろうが何かの役に立つと思ってな
憑かれるって話で溢れてるからAもこれかなーと馬鹿みたいに呑気に考えていた お祓いで何とかなるだろうと安易に 当時の自分を殴り倒したいぐらい本当に迂闊だった
で、お盆
Bは急遽バイトの予定が入ってしまい後々行けたら行くということになった 店長が足の骨を折ってベテランのBがどうしても必要だったらしい
車を持ってなかったから汽車とバスを使って待ち合わせ場所まで行く 待ち合わせ場所までは1時間ぐらい、周りに山しかなくなる手前ぐらいの所だ
着くともうBの父親が待機していた
そしてAを見るなり顔を顰めたと思えばちゃんと連れてきたな、とか言うんだよ
Aが言ってた奴か?と思ったが誰も教えてくれないままB父の車に乗り込む
そこから寺に着くまでは霊とは関係のない雑談だった
寺に着き、早速お祓いをしてくれることになる
しておいた方がいいと言うので俺も一緒にお祓いを受けた 初めてのお祓いだったから緊張したのを覚えてる
お祓いが終わりB父はひどく深刻な顔をしていた
B父「A君、やっぱりちょっとやそっとじゃあかんわ。しばらく泊まっていき」
A「はい」
B父「俺君もB君に付き合ってあげてな。1人にしたら駄目かもしれん」
事前にAからこうなるかもしれないと言われていたので滞在に問題はなかった 2人とも了承し、B父に寝泊まりする所を案内してもらう
泊まる所は寺じゃなくて少し離れたBの親戚が運営する宿で、少々ボロかったが至って普通、特別に宿代を格安にしてもらった
今日はもう休んで明日にまた祓ってみるということだった
B父が寺に帰って部屋に2人きりになるとAは突然泣き出してしまった
俺はぎょっとして必死に慰めたが一向に泣き止まないし、どうしたんだって聞いても何も答えようとしない
今まで相当不安だったみたいだし祓えなかったということで爆発したんだと思う
このまま部屋に閉じこもってても気分が沈むだけだと思い、俺はAを外に連れ出して辺りを散策することにした
山と田んぼしかないが気を紛らわすのには充分で、やたら背後を気にはしていたが次第にAも落ち着いてきた 日が暮れ始めた頃に宿へ帰ると女将さんが出迎えてくれた 夕食がもうすぐ出来上がるから先に風呂に入りないよ、と笑顔で言ってくれる
この宿はありがたいことに朝夕食事付き 夕食は地魚中心のメニューですごく美味しかった
食事を済ませた後疲れが出たのかAはすぐに寝てしまった 俺はまだ眠くなかったし本を読んでたんだが、さすがに憑かれてる奴と同じ部屋の夜は怖かったな
>>10
四国の方言だな
多分俺と同じ出身
読んでるよ。続けてください
翌日、朝からまた祓ってもらいまた駄目だった
B父に頭を悩ませてもらっている間、俺達は母屋の方で休ませてもらっていた Aも落ち着いていたのでいろいろ聞いてみたんだ
俺「ついてくるって何がついてくるん?」
A「小さい子供。誰かはわからん」
俺「声とか聞こえたりする?」
A「聞こえる。訴えかけてくるけん謝ったり無理だって言っても駄目」
この時にあの時謝ってた理由がわかった
俺「B父には全部話した?」
A「電話であらかた。まだ少し話してないことがあるし、明日あたり話してみる」
俺「そうした方がいい。早く祓えるといいな」
A「お前のこと大好きだわ。ほんと、巻き込んですまん」
この時のAの申し訳なさそうな顔が印象に残ってる 何もしてやれなかった自分が嫌になるよ
しばらく休憩をした頃、B父が来た
B父「裏山の頂上まで登ってき。若いから1時間ぐらいで着くやろ。A君とその子を一旦引き離したいからなあ」
この寺の裏にはそこそこの高さの山があり頂上までは無数の階段が連なる 今まで登ったことはなく初めてで、俺達は水を携えて登ることとなった
不安げな表情の俺達をB父は笑顔で見送ってくれた B父の話では途中までは憑き物が後をついてくるが、中腹より少し上にある鳥居を越えるとついていけなくなるらしい
俺には黙っていたらしいがAはB父に体の不調を訴えてたみたい そこで憑き物と引き離して一時的にでも楽にしようという考えだ
でも実際頂上に着くまでに逆に疲れ果てちゃったんだけどな 着いたらお賽銭を入れて近くに置かれたベンチでぼんやりとしていた
Aにまだ付き纏われてるか聞くといいやと嬉しそうに言う
ただ下山すると憑き物は待ってましたとばかりにまたついてきたらしいが
その夜はお互いヘトヘトだったしすぐに寝た そして2時ぐらいに外の物音で目が覚める
最初は猫だと思ってまた寝ようとしたがAがいないことに気がついて背筋が凍った
この部屋、1階で外に直行できる仕様になっている
俺は暗闇のなか明かりも持たず外に出て、月明かり頼りにAの姿を探した Aはすぐ側に居たが当然のごとく様子がおかしく、早く連れ戻さなきゃまずいと思った
背を向けられていたんだが本能的なところで感じ取ったのと、包丁を持ち出してたからただ事じゃないって
さすがに大人の男が包丁を持ってるのは近づき難かった
刺されでもしたら簡単に対処はできないしで、俺はその場で立ち往生 そうしたらAが唐突に声を張り上げた
「俺は○○じゃない!」って
よく聞こえなかったが誰かの名前だと思う さらには包丁を何かに振り下ろすんだよ
見た限りはそこに何もいない
俺はヤバイってとにかく止めに入った
手を押さえつけて包丁を奪おうにもAは我を失ってて、俺も何がなんだかわからなくなってるし最悪だった
最終的に俺が包丁を奪い取って部屋の中にAを引きずり込む
それで電気のスイッチを点けたのだが、スイッチや壁が血に濡れていて悲鳴を思わずあげてしまった 憑き物が怒っているのかと思って
でも冷静になってみると手がじんじん痛み、見れば手のひらが真っ赤
どうやら俺は包丁の刃を握り込んでいたようで結構派手に指の腹が切れていた 恐らくこの時に誰かが来ていたら通報されてただろうな
とりあえず手当してから湯を沸かしてついた血を掃除をした Aはその間も放心状態で一言も発しない 俺はどうしよ、B父の所に走った方が……とか迷いに迷っていた
5年前の事はそんな詳細に覚えてますか?
>>29
やけに記憶に残り過ぎることってないか? まあ、記憶なんて曖昧なものだしわかりにくい所は補足してる
くだらねぇ煽りはいらねーんだよ
続きお願いします
続き!続き!
この2chスレまとめへの反応
最後は待ってたが楽しかったぞ^_^