【批評】大ヒット映画『君の名は。』が残したモヤモヤ感。「世界観に乗らない『震災』」「過去を変える」という疑問
面白かった。それは間違いない。東京に住む主人公・瀧と、地方の田舎町に暮らすヒロイン・三葉が時空のひずみ(?)のようなもので身体が週に2、3度入れ替わり、お互いがそれぞれの街で生活する。その中で2人は思い合うようになり「会いたい」と願うわけだが、ある日を境に入れ替わることがなくなってしまう。
入れ替わった2人のそれぞれのコメディはテンポがよく、映像も新海作品らしく相変わらず美しい。2人の心の機微というのも分かりやすい。入れ替わる明確な理由やルールがなかったり、少々恋に落ちるのが早くないかとも思ったが、そんなことは大した問題ではないだろう。後半に行くにつれ、2人が突然入れ替われなくなった理由が明かされるところも、引き込まれる。
物語は間違いなく面白かった。しかしその一方、観賞後、筆者は長時間「モヤモヤ」していた。正確には今もモヤモヤしているからこそ、こうしてキーボードを叩いているのかもしれない。
突然の街の消失、立ち入り禁止の柵など、この作品が「震災」を物語の大きなテーマとしているのは明らか。
ヒロインの地方都市が核が砕けた彗星の衝突によって消失し、ヒロインも命を落とす。主人公の生きる時代はヒロインが死んでから「3年後」であり、「現在(主人公)」と「過去(ヒロイン)」が時空を超えて繋がれ、2人の身体が入れ替わったということだ。
主人公は、身体が入れ替わってその町にいたにもかかわらず、3年前に彗星落下で消失した事故のことを完全に「忘れて」いる。これは、
「どんな悲惨な出来事も、当事者以外はすぐに忘れる」
地方の震災を当事者意識なく、傍観者として見ている都市部の人間を皮肉っているように感じられたわけだ。
もちろん震災をテーマにすることが悪いとは言わないが、今作はこれまでの新海作品とは異なり、軽妙なテンポやクスッとしてしまうようなギャグが特に前半には散りばめられており、より「大衆向け」「エンターテインメント作品」になっていると思われる。
その空気感や、ほとんど毒のない「非現実的」な人間性のキャラクターたち、現実より美しく見える街並みやグラフィックに、「震災」という極めてシリアスな命題がどうしても“乗れていない”ように感じられた。単にSF要素が強いからではなく、現実に起きた不条理をモチーフにしているだけに、リアルにはあり得ない「世界観」の中で浮いているように感じられたわけである。
漫画「進撃の巨人」(講談社)の序盤も、ある日突然巨人が現れ人間が成すすべなく食われ、住む場所を追われるという点で今作と近い部分があるが、そこに暮らす人間には怠惰なものもいれば悪人もおり、既得権益にすがる金持ちもいる。政治もドロドロだ。だからこそ、そこで起こる不条理にもどことなく納得ができ、その「絶望感」がリアルなのだ。
さらに、今作の「モヤモヤ」の最大の原因は、最後に主人公とヒロインが「彗星衝突当日」にタイムスリップし、町民を非難させて「犠牲者なし」にする未来を作ったことだ。ようは、その不条理を「なかったこと」にしてしまったのである。過去を変える作品というのは特に珍しくもないが、なぜモヤモヤするのか。それもまた、現実に起こった震災をテーマにしているからではないか。
本当に起きてしまったこと、それは、現実では当然ながら「なかったこと」にはできない。しかし、それをこの作品は「なかったこと」にしてしまった。「フィクションだからいいだろう」と言われればその通りであるが、やはりモチーフが「現実」である可能性が高い以上、この結末に「これでいいのだろうか」と思わざるを得なかった。
最後は、お互いに関する記憶を失った2人が大人になって再び出会い、ハッピーエンドを迎える。エンタメ作品としてはこれでいいのだろうが、これまでの新海作品にはない結末だったのも事実だ。ただ、やはり「過去にすがる」「過去を変える」という後ろ向きな発想が作品から少し感じられてしまった。
長々と書いてしまったが、単に「エンターテインメント」としては十分に見ごたえもあり、映像も素晴らしい(音楽はよく理解できなかった)。十分観賞の価値はあるのではないか。ギャンブルとしてもこの作品は「やや勝利」と言えるだろう。
まあ、観賞後のモヤモヤを引きずってしまったせいなのか、肝心の新潟記念はなぜかアルバートドックではなくマイネルミラノを購入して盛大に散ってしまい、大損をこいたわけだが……。 (とある競馬ライター)
http://news.merumo.ne.jp/article/genre/5010573
以下、2chの反応
うーん
なんかラストに文句言う人ばっかだな(´・ω・`)
なんかファンタジー性の映画がヒットすると、「現実の引き写しでない」ことに文句を付ける奴いるよなあ
まあいまこうやってニュースにしてほしかったら逆張りしとくしかないんだろうなって
そういやモヤモヤ病ってあったな
ねたばれされた
何かネタバレされたような気がするが、3年後とかは序盤で判明するくらいの設定なのか?
>>10
中盤で判明からシリアスになるターニングポイントだよ
ネタバレぶちかましといて文句ばっかダラダラと書き殴っただけの最悪の駄文やな 勝手に震災がテーマとか決めつけてんじゃねえぞ
>>7
震災がテーマは新海自身がそう言ってる
>>37
地震を無理やり彗星隕石に変換しているから 天文学的にはツッコミありまくりだな
そんなまじめに考える作品じゃないから 上っ面を楽しめ
まあ彗星は無いと思った
そんなの世界的に超有名になるだろ 大規模な土砂崩れぐらいでよかったな
新海アニメを真面目に考察してはいけない
モヤモヤ感がある方が良い、と邦画とかでは言うよね。 心に何か引っかかりがある方が、印象に残りやすい、と。 完全に説明がついて、伏線が全部回収されると、 まとまってはいるのものの、印象には残りづらい。
>>28
それをやり過ぎてしまったのが、エヴァンゲリオンw
こういうくだらない思想を持った奴らが ひたすら鬱々として暗い日本映画を作って 邦画を衰退させたんだろな
相手にするのも馬鹿らしい、駄文だよ
>>30
ホンマそう思う。
シンゴジラとか君の名はって辛気臭いばっかでおもろない映画ばっか作ってる日本の映画オタクみたいな監督には絶対作れんよな。
新海は東北大震災でリアルに亡くなった女子高生にアニメの中だけでも恋を成就させてあげたかったのかもしれないな。
何年か後に三葉そっくりの実在のモデルが明らかになったりして。
瀧と入れ替わるのが大川小学校に妹を迎えに来た女子高生で、アニメの中では時間改変に成功して大川小学校の子どもたちは一人も死にませんでした。彼女と瀧くんは2016年8月にまた出会えました、とやったらある意味すごく新海らしい作品になったかも。
そしてエンドロールで震災の犠牲になった子供たちの写真と名前が流れる。
>>31
俺を泣かすな
>>31
お前のほうが才能あるわ!
まあ半分くらいは同意。
クライマックスはかなり無理矢理感があった。 あれでみんな助かったとか都合良すぎだろうと。
あと「皮肉っている」のはそのとおりなんじゃないかな。 それ以外の災害周りの描写も含めて。
基本的にもっともなことしか書いてないけど そんなことはどうでもいいんだよ
だってアニメだから、日本人はアニメにそんなものは求めてない 身も蓋もないことを言えば「たかがアニメ」を前提に観てるんだし
面白かったんならええやん。見てないけど見たいと思ったで。
興行収入が10日で38億超えたって情報が入ってきたんだけど これが本当なら邦画最強の千と千尋と同じかそれを超える勢いなんですがそれは…
今日見たかったけどな~、ゴジラで我慢するかなw
>>54
流石に300億も行かないともうけど あとはどこまで引っ張れるかだね
>>23
そりゃあおっぱい揉みまくりよ
「君の名は。」予告
この2chスレまとめへの反応
このシーン、ピボットじゃなくてふつーに歩いててトラベリングしてる気がするのは
気のせいだろうか