昨日、昼の1時過ぎに寺に着いた
懐かしいなんて思いながら本堂の方へ行くとB父が待っていた お互いぎこちない挨拶を済ませ、和室へ移動し対面して座る
しばらくは久しぶりの再会ということで至って普通の雑談 いい加減焦らされてから5年前の話へシフトしていく
あの時は大変だったなあから始まり、今日の話本当に聞くんか?とやたら俺に確かめてきた
聞きますとしか俺は答えようがない
B父はまず俺に尋ねた
「A君に何が憑いてたか具体的には聞いた?」
「子供とだけ」
「憑いてたんはな、水子なんよ。中絶や流産でこの世に生まれてこれなかった子ら。普通は親に憑くし、祟りなんてものはあんまりない。真摯に子供のことを考えてたらやけど」
そこで俺はえっと声を漏らしてしまいB父に不思議そうな顔をされた
「俺、妊娠中の妻を亡くしてるんですけど大丈夫ですか?」
「この5年の間?奥さんも一緒なら心配はいらへん」
それを聞いて俺は安堵したわけだが、B父がぼそっと「マズイなあ」なんて言う この件と関係ないですよねと尋ねることは怖くてできなかった。
「儀式の話は?」
「見つけた経緯は聞きました」
「絶対に試さんのなら手順から教えたげるよ」
俺は試しません、と頷いた
Aが散々な目にあってるのを知っているのに試すわけがない
教えてもらった手順は曖昧にしておく
紙に血、もしくは髪の毛を包み、赤い糸を巻きつける 9日間肌身離さず持ち、夜は子宮の位置に置いて寝る
10日目に糸を切り海へ流す
閉じ方、巻きつけ方には手順がある こんな感じで比較的シンプルだ Aが気軽に試した気持ちがわかる
だけど何処となく不気味だと思った
B父が言うには、紙は子宮、糸は臍の緒、海は羊水?10日間は十月十日を模している この方法は今まで聞いたことがなく能力も高そうに思えない
ただ人の念というものが1番力を持ち、Aの親戚が子供を亡くした苦しみの中作った為本物になったのではないか
そうならば特定の子供を憑かせることになり臍の緒等の子供を指し示す物が必要になるが、何故か必要ない 大前提として書かれていなかっただけかもしれないが、それならAはどうして憑かれたのか
B父は疎い俺にわかりやすいよう大体こう説明をしてくれた
「Aに実は子供がいたり?」
「作ったことすらないんやと。A君はだいぶ霊感があったみたいやし、何処かの子を引っ張ってきてしもうたんやろ。そしてその子の親になった。水子にとってA君は母親になるわけやがA君からすればただの怪異やからなあ。
そこが上手く行かずに水子は攻撃的になってしもうた。水子はそうなると祓うのも困難でな、どうしようもなかったわ。
A君はずっと側で早く産んでって言われてたんやって。最初はまだ可愛らしかったらしいけど僕の所に来た時にはそりゃ酷かった。今すぐ殺されてもおかしくないなあって。姿は見せてくれたけど話してくれることはなかった」
俺はずっとと聞きゾッとすると同時に合点がいった これを踏まえれば今までのAの行動の辻褄が合う Aだってこれぐらいなら俺に言えばよかったのに、何故そこまで隠そうとしたんだろうか
俺はそれを疑問に思いB父に聞く
「俺ってAに信用されてなかったか嫌われてました?」
「そんなことない。A君は俺君を傷つけたくない一心だったんや。自業自得やけど」
傷付くも何もと俺は思った
理解していない俺にB父は少し言葉に詰まる
悪い予感がした
B父は少し間を空けた後に話し始める
「俺君が帰った日があるやろ?あの日A君は全て話してくれた。それまでは何かずっと隠してたんや。
もう少し儀式について説明するな。この儀式には母役と父役、人間2人が必要なんよ。普通は子を亡くした夫婦2人でな。今回A君は相手がいなかったわけやから擬似の夫婦を作らんとあかん。A君が母役で妊娠を模すわけな。じゃあ父役は誰だと思う?」
知らぬが仏とはまさにこのことだよな 察しの悪い俺もさすがに気がつくしかなかった
B父は続ける
「俺君なんよ。髪の毛を頂戴して自分の血と一緒に包んだんやって」
「でも俺なんも影響……妻が死んだのって……」
「断定はできんが俺君に水子が憑き変わって子供に嫉妬したのかもしれん。ただ今見た感じ水子がいる様子はない。俺君には珍しいくらい霊感が備わっていないようやけん、気がついてないだけかもな」
淡々と話すB父を前に俺はなんとか平静を保った
今すぐにも逃げ出して吐きたかったが、それでは駄目だと強く思ったんだ まだまだ何も知らない、帰れないって
「Aは何にどう苦しんでたんですか?」
「A君はな、憑き物が祓えたら自分の口から話したい言よった」
「もう死んでますよ」
B父の態度に苛ついて吐き出すように言ってしまう この人は5年前から多々はっきりと言おうとしない
気遣っているつもりなのか、あまり口にするとB父にも悪影響があるのか お世話になっている身で気に食わないなんて言うのは失礼に値するかな?
でも本当にはっきりさせない、俺が何を知りたいか知っているくせに B父はそんな俺にそうカッカしなさんなと四つ折りの紙を渡してきた
ホッチキスで留められたメモで「(俺の名)へに」と懐かしい字で記されている
ないと聞いていたがこれが遺書らしい
「1人で開けてもいいし、みんなでワイワイ開けてもいい。ただ中になんて書いてあるかはわからんけん、気持ちの整理をつけながら覚悟して読みいよ。死んだ理由もわかるんちゃうかな」
つまり謝罪の言葉が綴られているかもしれないし、はたまた呪いの言葉かもしれないと どっちにしろ今置かれている状況から考えれば気分のいいものではないな
それにしても5年も前に死んだ奴の遺書が俺の手元に来るとは不思議だった
ただB父はAの遺書を今まで隠し持ってたってことになり、それは犯罪に当たらないのだろうか
「なんで今まで渡してくれなかったんですか。こういうのは早い方がいいですよね。話だってもう少し早く言ってくれてれば妻も子供も死ななかったかもしれないのに」
俺が明らかにキレて言うとB父は申し訳なさそうに肩を竦めた
「すぐ渡して俺君が持ってかれたら困ると思ってな。話さずに突き放したのも同じ理由や」
持ってかれるってなんだよ、意味わかんね、と俺は心の中でブチギレる 無理もないよな、対処法はあった筈だ
わかっていれば俺だってのほほんと生活を送らずにどうにかしていた 俺はなんだか力が抜けてきて力なく対処法はありますか?とだけ聞いた
「俺君の髪を使ったって聞いた後、A君に対処法を思いつかないか聞いたんや。これまで以上に早く祓う必要があったからな。A君は1つだけありそうやけどまだ……って渋とった。結局死んだから教えられていない。そこに書かれているのを願うしかないわな。
たださっきも言ったけど俺君に水子は憑いてない。A君のようにはならない筈や。次に子供ができても恐らく大丈夫やないかな。1番初めやったから駄目だっただけだろう」
B父はそう言うが信じられるわけがない Aに対しては死ぬ前に教えておけよと、呆れた
遺書の中身なんだろな
疲れた俺はもう帰ろうと思った
B父に帰りたい意思を伝え、一応お祓いを頼む だがB父はしない方がいいと首を振った
金を払うのは俺だしして欲しかったが、逆に刺激してしまう可能性があるらしい
渋々了承した俺にB父はいつも以上に優しく声をかけた
「A君は悪い子じゃないと思うで。自分より俺君のことを心配してたから」
俺は思わずそれが?と喧嘩腰に言いかけ口を噤む なんで俺が巻き込まれなきゃならないんだ? なんで嫁と子供を亡くさなきゃならなかったんだ? Aは1人辛いからって死んだんだろ 俺を放って逃げたのか?
今まで親友だと思っていたのにあまりにも酷い裏切りじゃないか いくらでも今なら言える 寺を出てその後は駅前に移動してずーっと飲んでた 酔い潰れて店員に注意されてまた店を変えて、ここまで酒を煽ったことはなかったよ
で、朝帰り
今日1日気分悪くて最悪だった
だいぶ文章荒くてすまん
本当はもう少し詳しく説明を受けてるけど頭の整理と感情が追いついていない ここまでだとオチがないわけだが、残るは遺書
対処法があれば解決、なければ……どうしようか
ちょっと休憩してから開けてみようと思う あと遺書の表面に気になる所があるから見て欲しい
写真upの仕方を誰か教えてくれないか
>>96
気になるものか。霊的悪影響を及ぼしそうなものなら一旦upやめといた方がいいかもね。
>>99
悪影響あるかはわからないな 俺の名前の下に酷く崩れた2文字がある 無理やり読むと「れせ」っぽいもの
>>100
とりあえずupしてみろよ
嫌になってきた
無理しすぎたのか吐き気が
勝手なことを言うがもう休みたい 遺書の件は持ち越しさせてくれ
>>102
分かった。
文字はそもそも日本語でなくて何か霊的効果持ちの記号を書いてたりとか想像したけど。素人ですらないので参考程度に。
俺はその文字見たくない
たぶん創作かもしれないが、 実話だとしたらAが最後の”解決策”として1に全部おっかぶせる方法を使ってる可能性が高い
元々水子という考え方が嫌いだし、得体しれないもんに巻き込まれるのは御免だわ
確かに水子は本当に冗談で話してはいけないぐらいの念を持ってるよね 実話だとしたらなおさらやめといた方がいいと思う
読んでる人(私も含めて)は先が読みたいし結果を知りたいけど、ここを読む人にはこれから子供を授かりたい人も居るだろうしね
B父さんも遺書の内容を知らないって事は安全は保証されないってことだから
>>1さんも大変だろうけどあまり無理しないでね
「持ってかれる」は多分「あちら側」に持ってかれるの意味ではないか。
確かに1を巻き込むくらいだからAの示す解決法があったとしても簡単には信用できないな。
書かれている文字や画像にでも霊的な何かが乗るなんて話はある。 呪法や遺書の扱いに関しては慎重に。
昔オカルト板で呪法試したら霊絡みで面倒になって神社に世話になってる奴のスレあったななんて思い出した。
そもそも水子って祟るものなの?
>>108
祟ってるつもりはないけど当事者から見ると祟ってるような状態?
呼び寄せて縛り付けてるわけだから それを利用して御霊信仰みたいに利用するのがあるみたいだけど、お世話しないでほったらかすと酷く祟られ状態になるらしい
らしい、らしいではっきりしなくて悪いけど聞いた話だからさ
人が3人死んでるんだからかける言葉もない
その上下手をすれば1にも影響が有るかもしれないわけだから何も言えない プロに頼むのが最善だろうね 仏教は基本は霊を認めていないから、密教か神道、陰陽道かな
たぶんね、供養に行ってる間は守ってくれるんだと思う
でも供養を疎かにすると「ずっと一緒に居たいのにどうして?」って取り憑くんじゃないけどまぁそんな感じになっちゃうんだよ
お母さん(とか自分が頼る存在の人)を独り占めしたいって気持ちが強くなるんだと思う 霊的な存在とはいえ普通の子供と変わらないんじゃないかな
無理すんなよ
Aがまともな思考を持って亡くなったなら1には死んでほしくなかったんだろうしさ
1です
疲れのせいだと思うが熱が出た
遺書はまだ開けられてない
中身を見てから文字の事を考えようと思う だいぶ気持ちに落ち着きが出てきた
>>119
もし嫌だったら読まないで捨てるって選択肢もあるよ
なるべく陽の下で開いてみては?
気休めですけど…
>>120
暗いところよりかは随分いいだろうな でも雨降ってるという
亡くなった妻とはAの事件が起った当時はすでに1と知り合いだったのか?
>>122
知り合いだったし付き合ってもいたよ
よし、決めた
風呂入った後に遺書を読む
正気でいられたら結果を書き込みます
>>127
見てるで…
>>127
気をしっかりな。待ってるよ
本物の匂いがする
騙されて笑われるリスクを取って
それ開けるな、つながるぞ
すげー怖い
創作でありますように
遺書読んだ
そういうことだったのかって複雑だ
はよ
この2chスレまとめへの反応
最後は待ってたが楽しかったぞ^_^