夏だし怖い話しようや!

おもしろ/VIP系2chスレ 0


夏だし怖い話しようや!

1: 2017/07/19(水)23:43:14

特にないやつは机の上にあるものでも書いとけ

以下、おーぷん2chからお送りします。

7: 2017/07/19(水)23:44:32

怖いな~怖いな~

20: 2017/07/19(水)23:49:54

おれにはちょっと変な趣味があった。

その趣味って言うのが、夜中になると家の屋上に出てそこから双眼鏡で自分の住んでいる街を観察すること。いつもとは違う、静まり返った街を観察するのが楽しい。

遠くに見えるおおきな給水タンクとか、酔っ払いを乗せて坂道を登っていくタクシーとか、ぽつんと佇むまぶしい自動販売機なんかを見ていると妙にワクワクしてくる。

漏れの家の西側には長い坂道があって、それがまっすぐ漏れの家の方に向って下ってくる。だから屋上から西側に目をやれば、その坂道の全体を正面から視界に納めることができるようになってるわけね。

その坂道の脇に設置されてる自動販売機を双眼鏡で見ながら「あ、大きな蛾が飛んでるな?」なんて思っていたら、坂道の一番上のほうから物凄い勢いで下ってくる奴がいた。

「なんだ?」と思って双眼鏡で見てみたら全裸でガリガリに痩せた子供みたいな奴が、満面の笑みを浮かべながらこっちに手を振りつつ、猛スピードで走ってくる。奴はあきらかにこっちの存在に気付いているし、漏れと目も合いっぱなし。

ちょっとの間、あっけに取られて呆然と眺めていたけど、なんだか凄くヤバイことになりそうな気がして、急いで階段を下りて家の中に逃げ込んだ。

ドアを閉めて、鍵をかけて「うわーどうしようどうしよう、なんだよあれ!!」って怯えていたら、ズダダダダダダッって屋上への階段を上る音が。明らかに漏れを探してる。

「凄いやばいことになっちゃったよ、どうしよう、まじで、なんだよあれ」

って心の中でつぶやきながら、声を潜めて物音を立てないように、リビングの真中でアイロン(武器)を両手で握って構えてた。

しばらくしたら、今度は階段をズダダダダッって下りる音。もう、バカになりそうなくらいガタガタ震えていたら、ドアをダンダンダンダンダンダン!!って叩いて、チャイムをピンポンピンポン!ピポポン!ピポン!!
と鳴らしてくる。

「ウッ、ンーッ!ウッ、ンーッ!」

って感じで、奴のうめき声も聴こえる。

心臓が一瞬とまって、物凄い勢い脈打ち始めた。さらにガクガク震えながら息を潜めていると、数十秒くらいでノックもチャイムもうめき声止んで、元の静かな状態に……。

それでも当然、緊張が解けるわけがなく、日が昇るまでアイロンを構えて硬直していた。

あいつはいったい何者だったんだ。もう二度と夜中に双眼鏡なんか覗かない。

21: 2017/07/19(水)23:50:09

>>20
定番やな

25: 2017/07/19(水)23:51:25

>>21
これやっぱ定番なんやなワイでも覚えとるわ

26: 2017/07/19(水)23:53:17

>>25
ワイのトラウマやな、安易に想像できるところがヤバい

24: 2017/07/19(水)23:51:06

>>20
これのせいで深夜に出歩くの苦手やわ

31: 2017/07/19(水)23:56:02

-コンビニ-
とある新規オープンのコンビニであった話。オープンから二週間経ち、客足もだいぶ落ち着いてきた深夜。午前3時頃だったろうか、その日は店長とバイト二人だったが、お客もいないためバイト二人に休憩をするように言った。

二人は近くのファミレスにご飯を食べに行き、店長はバックルームで一人でいたそうだ。ふと、監視カメラを見ると5~6歳位の男の子が映っている。

こんな時間に…と思い、店内の他の映像を見たが他に人はいない。迷子かな?とカウンターに出てみると男の子は居なくなっていた。

帰ったのかなと、バックルームに戻ってモニターを見ると今度は別の場所に。ちょうどその時休憩を終えたバイトが帰って来たが、すぐそばに居る男の子には目もくれずまっすぐバックルームに入ってきた。

「今、男の子居たよね?」と聞いたが「え?見てないっすよ」と、ポカンとしている。

バイトにモニターを見せると、その異様な雰囲気に言葉が出ない。

その後も、三人でモニターを食い入るように見ていた。モニターにしか映らない男の子は気がつくと移動ししている。

そのとき、バイトの一人があることに気付いた。

「店長…この子…バックルームに近づいてきてます…」

34: 2017/07/19(水)23:57:40

>>31
塩撒いとけ

36: 2017/07/19(水)23:59:10

>>34
抹茶塩しかなかったけどいいかな?

32: 2017/07/19(水)23:56:43

これは茨城のおばさんの話や
わいのおばさん猫たくさん飼ってるんやけど
一斉に夜中鳴き出したらしいんや
はぁ…こんな時間になんだろう?っておもって
何となく嫌な予感したから外に出たんや
したらどこから荒い息づかいが聞こえるんや
うわぁぁぁやばいやつかな…とおもって
そとをみわたしてもだれもいない
ヤバイヤバイとおもってたら
なんかだか怖くてこまっちまなぁって
茨城弁が…
で、結局のところ小さいおばあさんが野菜届けてくれたってだけのはなしやで

43: 2017/07/20(木)00:01:22

>>32






って誰が気づくねんそんなの

45: 2017/07/20(木)00:01:29

2chでホモの告白断ったら発狂して特定するって言われた

実際特定されそうな画像貼ったから怖くで何ヶ月かスプレー塗料持ち歩いてたわ

49: 2017/07/20(木)00:03:46

>>45
ガチホモは勘弁やね

66: 2017/07/20(木)00:10:51

>>45
なんでスプレー塗料やねん

47: 2017/07/20(木)00:03:19

この前知らんおっさんにいきなり「なあ…遊ぼうやぁ…」って声かけられた時はマジでビビった

50: 2017/07/20(木)00:03:52

>>47
幽霊も怖いけど、人間の話しも怖い

52: 2017/07/20(木)00:04:20

>>50
いやホンマ怖かったで
あんな心臓バクバクしたの初めてや

54: 2017/07/20(木)00:06:07

-急患-
おれが当直だった夜に、急患でおれは叩き起こされた。患者の様態急変とかで、まあよくあることだ。処置室に行くとちょうど患者が救急車で病院に着くときだった。

急患らしい。

救急車からストレッチャーで下ろされたのは、真っ黒に焦げた死体(にみえた)だった。救急車のスタッフにきくと、交通事故をおこしたドライバーで引火した車のなかで取り残されたらしい。

50代位の男性だった。

一応、生きてはいるが、そりゃもう表面なんかコゲコゲで人の肉の焼ける独特のにおいがあたりに立ちこめ、俺はもう吐き出しそうになった。

全然動く気配もない。もう時間の問題だ。

「すごいですよ。一応心停止してません。まあ、もうだめでしょうけど」
と救急隊員は言った。

医師も「あー、こりゃすごいね」と言って治療をする気もなさそうだ。

「ひどい・・・・」看護婦も目が怯えていた。

普通ならば2度熱傷といわれるやけどが体表の30%を超えると死亡率が上がるといわれている。誰の目にみても助からないのは明らかだった。

俺は一応検査をするための準備にかかった。

機器を用意している部屋に入って準備をしていたら、その黒こげの患者が運ばれてきた。おれは腕に検査の為に針を刺すのでその患者の血管をさがしたが表面が黒こげでどこに血管があるか分からなかった。

「あー、これ、メチャクチャでどこだか分かんないよ」と俺は言った。

皮膚のまともなとこを探そうと腕をつかんだとき、その黒こげ患者が言った。

「・・・そんなに私、ひどいんですか・・・・」

「あ、あ」
俺は声にならなかった。ずっと意識はあったんだ。

今までの俺達の会話を聞いていたんだ。


この話結構すこやで

57: 2017/07/20(木)00:07:14

>>54
後味悪いな

63: 2017/07/20(木)00:10:26

全然怖くないけど

-お賽銭の金額-
お賽銭には金額によって意味があることをご存じだろうか。

5円・・・ご縁がありますように
12円・・・十二分に縁がありますように
15円・・・十分ご縁がありますように
25円・・・二重にご縁がありますように
45円・・・始終ご縁がありますように

しかし、中には悪い意味になってしまうものもある。

10円・・・縁が遠のく
65円・・・ろくなご縁がない。
75円・・・なかなかご縁がこない。
85円・・・やっぱりご縁がない。
95円・・・ここにもご縁がない。
105円・・・とうとうご縁がない。
500円・・・これ以上効果(硬貨)がない。

多ければ良いというものではない。気をつけよう。

79: 2017/07/20(木)00:15:40

俺が小学生の頃の話。

俺が住んでいた町に廃墟があった。 2階建てのアパートみたいな建物で、壁がコンクリートでできていた。 ガラスがほとんど割れていて、壁も汚れてボロボロだったから、地元の人間でも、あまりこの場所に近づくことはなかったらしい。

ある日、俺は友人と肝試しをすることになって、この廃墟に行くことにした。 まだ昼ぐらいだったから、建物の2階まで上がって建物を探索した。 そしたら並んでいる扉のひとつに、文字が書いてあるものがあった。

友人と近づいて確認してみると、扉の前に「わたしは このさきの へやに いるよ」と書いてあった。
俺と友人は扉を開けて中に入り、先に進むことにした。

歩いて行くと分かれ道に突き当たって 、壁に「わたしは ひだり に いるよ」と書いてあった。 少し怖くなったけれど、俺と友人はそのまま左に進むことにした。

すると両側に部屋があるところに突き当たって、壁に「あたまは ひだり からだは みぎ」と書いてあった。

友人はこれを見た瞬間に、半狂乱になって逃げだした。でも俺はその場所にとどまって、勇気を出して右の部屋に行くことにした。

部屋に入り進んでいくと、突き当たりの壁に「わたしの からだは このしたにいるよ」と書いてあった。

下を見ると、「ひだりの へやから わたしの あたまが きてるよ うしろ みないでね」。

俺は急いで、その部屋の窓から飛び降りて逃げた。 それからはもう、その場所には近づいていない。


最後は 書かれていた とは書かれてないから怖い

80: 2017/07/20(木)00:16:24

>>79
これ初見でまったく分からんかった

87: 2017/07/20(木)00:19:22

母の話。
母は小さい時、『蔵ばばあ』というのを怖がっていた。

これは母自身もよく覚えてるし、母の兄達もよく知っている。 大人になってからは恐怖感は忘れて、母の兄も親戚が集まった時に、「お前、蔵ばばあが怖いって言ってたな~」なんて母に言ったりしていた。

まあ、母の実家は古い農家だから、昔の蔵を改造して倉庫に使ったりして、古臭くて不気味だったから、幼かった頃の母は怖がっていたんだろう、ぐらいにみんな思っていた。

ところが、最近になって母が、蔵ばばあの正体を思い出したという。

きっかけは、母の母…つまり、私の祖母が、脳血管の病気の後遺症で痴呆の症状をあらわした事だ。

アルツハイマー型の痴呆症とは症状が違うのだけど、世話をしないといけないという点では同じだったので、母も介護の手伝いにちょくちょく顔を出していたらしい。祖母は自分の産み育てた子供達の顔もわからなくなっており、特に女性が祖父に近寄るといい顔をしなかった。

無論、母も例外ではない。
祖父に近づいた母に対する祖母の睨みつけるような顔を見ていて、母は蔵ばばあの正体を思い出した。

蔵ばばあとは、祖母が母にしか見せた事のない顔だった。

祖母は、三番目に生まれた子である私の母をあまり大事に思っておらず、
祖父や他の親族の前では可愛がるそぶりをしていたものの、母と二人きりの所では、目立たない服の下になる部分をつねったりしていたらしい。

それをされていた場所が蔵だったそうだ。

まだ幼かった頃の私の母は、みんなの前でにこにこ自分を可愛がっている自分の母親と、誰も見ていない蔵で、つねったりひっかいたり、悪口やどうしようもない事を繰り返し言っている自分の母親を、無意識のうちに完全に別人だと考えるようにしていたらしい。

つまり、自分をつねったりひっかいている人は母親ではなく、蔵ばばあだと信じるようにしていたのだ。

最近、痴呆症が進行した祖母は、自分の夫である私の祖父の顔もあやふやになっているらしい。 祖父の腕には、昔に母がされたようなつねった跡がいくつもついているそうだ。

89: 2017/07/20(木)00:22:46

慰霊の森で白ワンピースでショートの女の子みたことあったわ

今思えば超タイプやなあ…

90: 2017/07/20(木)00:23:01

siriが虚空と会話し始めた時は怖かった

101: 2017/07/20(木)00:28:32

>>90
なんかかわいい

110: 2017/07/20(木)00:36:16

>>101
何も喋ってないのに「面白い質問ですね」とか「以前にもお話しましたよ」とか言うんやぞ

107: 2017/07/20(木)00:31:37

あと、怖くはないかもしれへんけど、ワイの母方の実家がある地域には色んな昔話が残っとる

ほとんどは差別がひどくて、とても話せたもんやないが、「白い鬼が山向こうからやってきて村人と仲良くなり水田を作り、村人と結婚して幸せに暮らした。」って話と「源氏に敗れた平氏の姫様が逃げてきて、逃げた先で農民の若者と仲良くなり結婚して子供を作り村を作った。その村が今のこの地域の発祥。」って話がある。

簡単に特定されそうで怖いが、前者の話の証拠っちゅうかなんちゅうか、実際に本家の人の肌の色は日本人離れした白さやから、ワイは勝手に白い鬼は白人のことやと思っとる

まぁ、その方が人種や言葉の壁を超えて仲良くなったんやなって浪漫があるしな

あと、後者の話は、眉唾もんやと勝手に思っとる

けど、夏になったら仏壇に白い長方形の細い和紙としめ縄を飾るし、なんか関係があったんやないかとも思っとる

113: 2017/07/20(木)00:39:05

階段から頭が上下逆さまの女が四つん這いで降りてきたやつは?ちびでぶちゃんの

117: 2017/07/20(木)00:40:45

予備校から帰ると、一階は真っ暗なのに二階に電気ついてる部屋がある。

母は家族全員帰ってくるまで、リビングの電気は付けて(何年か前だから節電の意識はあまりなかった、すまぬ)二階で洗濯物畳んだりするので、あれと思い階段の辺りからお母さんと呼ぶと、「だあれえ」と返ってきたので、ちょww娘にだあれってあんたwwと思いながら喪子と答えると、「喪子おいでえ」と母が呼ぶ。

私は家では名前ではなく『ちびでぶちゃん』という愛称で呼ばれていたので、?と思っている間にも母はずっと「おいでおいで」と言い続ける。

しょうがねえなwwと階段を登ろうとすると母が部屋から出てきて… と思ったらなんか顔だけ上下逆になってる?

めちゃめちゃでかい四つん這いになったの女の人がすごいにこにこしながらこっちにくる。

びっくりして速攻で家を出て玄関の鍵を閉めて、除き穴から見ると、その高さに女の人が口をもぐもぐしながら顔を真横にしてにこにこしてた。

怖くて自転車でお祖母ちゃんの家に行って、お父さんが迎えにくるまで帰れなかった。いなかった家族は私を置いてくら寿司行ってた。

これか

119: 2017/07/20(木)00:41:53

>>117
これや

121: 2017/07/20(木)00:42:05

>>117
巨人かな?

123: 2017/07/20(木)00:43:09

>>117
娘を家の中で「ちびでぶちゃん」と呼ぶ母親もなかなか怖いな…

128: 2017/07/20(木)00:43:44

>>117
置いてかれた喪女カワイソス

180: 2017/07/20(木)01:24:33

【【関西】ただであげます。ただでください3【無料】】

925 名前:名無しさん[] 投稿日:2009/02/04(水) 08:52:44 ID:oKOysTpy0

神戸市北区の一軒家いらないか?

ただ三つ条件があって

1 必ず受け取る
2 三日以上家を空けない
3 死ぬまで住んでくれる

この3点守れる方なら土地ごと渡します

954 名前:名無しさん[] 投稿日:2009/02/04(水) 15:56:42 ID:oKOysTpy0

事件とかないですデメリットとか
山から夜に何か来るんですよ、もう怖いです、せつないです自分はもうみたくないですね

181: 2017/07/20(木)01:25:14

>>180
ヒエッ

183: 2017/07/20(木)01:26:25

>>181 
これ、続編があるんやで?(ニッコリ

184: 2017/07/20(木)01:26:43

>>183
ハラデイの舞なんだよなぁ

187: 2017/07/20(木)01:27:40

>>184
よっしゃ!貼ったるでー!みんなも怖い話貼れや!!!

【心理的瑕疵】いわくつき物件の怖い話【霊障】 2

595 名前:本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2012/07/31(火) 09:27:55.04 ID:KKMlaVa60

最近神戸の一軒家に引っ越して来たけど怖い見た目はそんなに悪くないしタダだったしけっこう広いので住んでるんだけど夜になると山から何かよく分からないものがくる

でも条件が条件なので結局住まなきゃいけないのかなーと思ってる

195: 2017/07/20(木)01:30:35

この先は議論とかで長ったらしいから各自ググってくれ簡単に言うと、「夜中に肉塊がやってくる。しかも、子供の」って話だな

196: 2017/07/20(木)01:31:45

>>195
子供やってなんでわかったのかが怖い

198: 2017/07/20(木)01:33:14

>>196
…赤ん坊or子どもの声で親を求めながらぐるぐると井戸の周りを回っているらしい

さぁ、みんなも渾身のオカルトコピペ貼ろうぜ!

233: 2017/07/20(木)02:00:11

高校の頃の話。

高校2年の夏休み、俺は部活の合宿で某県の山奥にある合宿所に行く事になった。 現地はかなり良い場所で、周囲には500m~700mほど離れた場所に、観光地のホテルやコンビニなどがあるだけで他には何も無いけれど、なんか俺達は凄くわくわくしてはしゃいでいたのを覚えている。

その日の夜の事。
暇をもてあました俺達は、顧問の先生の許可を貰いコンビニまで買出しに行く事にした。

わいわい騒ぎながら10人ほどで外にでて歩き始めると、昼間はそちらのほうに行かなかったので気付かなかったが、合宿所の裏手に家らしき建物があるのが解った。

その建物には明かりがついていなかった。 多分空き家か民家っぽいけど、別荘か何かなんだろうと思われた。

友人が調子の乗って「あとで探検いかね?」と言い出したが、あまり遅くなると顧問の先生にドヤされるし、ひとまず買い出し終わってから、合宿所内で今後のことは考えよう、という話になった。

234: 2017/07/20(木)02:00:20

コンビニで買出しをし合宿所に戻る途中、後輩の1人が変なことを言い出した。例の建物の玄関が少し開いていて、そこから子供がこちらを覗き込んでいたという。

俺達は「そんなベタな手にひっかからねーよ!」と後輩をおちょくったが、後輩が真顔で「マジで見たんだって!」というので、ちょっと気味が悪くなってしまい、家が見えるところまで確認に戻ったが、ドアは閉じていて人の気配も無く、特に異常は無かった。俺達は後輩をおちょくりながら合宿所へと戻った。

合宿所へ戻り、2階の廊下から外を眺めると、例の家の1階部分が木の間から僅かに見えた。

俺が友人と「あそこに見えるのそうだよな?」なんて話をしていると、家のドアが僅かに開き、暗くて良く分からないが子供らしい、人影が頭だけをドアから出してこちらを覗きこんでいる。

「…え?」
俺と友人は、同時のその光景を目撃し沈黙した。

その後、最初に口を開いたのは友人だった。

235: 2017/07/20(木)02:00:28

「おい…あれって…」

友人はかなり動揺しながらそういった。 俺も恐怖というより、あまりにも唐突の事で思考が停止してしまっていて。 「子供…こっち見てるよな?」としか返せない。

その時、後ろの部屋から笑い声が聞こえてきた。 俺と友人はその声にびっくりし、ハッ!と我に返った。

そして、俺は「これやばくね?ばっちり見えてるよな?」というと、友人が「おれちょっと携帯持ってきて写真撮る」と、自分の部屋へと走っていった。

すると、騒ぎを聞きつけて、なんだなんだと合宿所にいる生徒が、(他校の生徒もいたので、総勢60人くらいが合宿所にいたのだが、そのうちの半分くらい、30人ほど)2階の廊下に集まりだした。

子供らしき人影は、まだドアから顔のみを覗かせて、こちらを見上げているように見える。 廊下は大騒ぎになり、とうとう顧問の先生たちも何の騒ぎだとやってきた。

第一発見者の俺と友人が事情を話していると、窓から外を見ている生徒の何人かが「あ!」と声をあげ、かろうじて聞き取れる音で、パタン…とドアの閉じる音がした。

236: 2017/07/20(木)02:00:38

顧問の先生たちが外を見る頃には、ドアは閉じられ人影もなくなっており、 何事も無い林と、明かりもついていない家らしき建物が見えるだけだった。

当然先生たちは信じてくれなかったが、ノリの良い若い先生2人が一応確認しに行ってくれることになり、合宿所の裏手へと回った。 俺達が窓から様子を見ていると、懐中電灯を持った2人が現れ、家の玄関のところで何かやっている。

どうやらドアが開くか調べているようだが、開かないようだった。 その後「誰かいますか~?」と声をかけたりしていたのだが、反応がないらしく、5分ほどで戻ってきた。

その後、何人かが携帯で撮影した画像も証拠として出したのだが、所詮は携帯の画質、真っ暗な画像が映っているだけで何の証拠にもならない。

俺達は先生達に「さっさと寝ろ」とまくし立てられて、自分達に割り当てられた部屋へと戻った。

237: 2017/07/20(木)02:00:46

その夜、なんか中途半端でモヤモヤして寝れない俺達が、これから確認に行くか、それとも昼間行くかを話し合っていると、部屋の窓がドンドン!と叩かれた。

窓の外に人影も見える。
俺達はさっきのこともありビビりまくっていると、外から「おーい、あけてくれ!」と声が聞こえてきた。

カーテンをあけると、そこには昼間仲良くなった他校の生徒5人がいた。 やつらはどうも、窓の外にある20cmくらいの幅のでっぱりをつたって、俺達の部屋までやってきたらしい。

5人を部屋の中にいれると、どうもやつらも俺達と同じ話をしていたらしく、これから例の家に行く事にしたので、俺達を誘いに来たらしい。 俺達もそれで決心が付いたので、これから肝試し?に行く事になった。

メンツは、うちの学校からは俺、A也、B太。他校からは、C広、D幸、E介。他のやつは、何だかんだと理由をつけて結局来なかった。

238: 2017/07/20(木)02:00:56

俺達は5人が通ってきた窓の出っ張りをつたい外にでると、先生に見付からないように一端道路に出て、そこから大回りに問題の家へと向かった。

一応、家の周りは合宿所の2階廊下から丸見えなので、残ったやつ何人かが、異常があれば廊下から懐中電灯で合図してくれる、という計画になっていた。

家の前につくと流石に不気味だった。遠目には分からなかったのだが、壁には苔が生えているし、あちこちに蔦も絡まっている。しかも、外から見える窓は全て板が打ち付けられていて、だいぶ長い事放置された場所のようだ。

最初C広とA也とB太が家の周りを確認しに行ったのだが、俺が開かない事は分かっていたが、何気にドアノブを回すとすんなりとドアが開いてしまった。 急いで3人を呼び戻し、俺達は中へと入る事にした。

中に入ると、夏場という事もあり室内の湿気が凄くかび臭い。 家の中を探索してみると、埃っぽくカビ臭くはあるのだが、室内は荒らされた様子も無く、家具も何も無いのでやたら広く感じた。

1階を探索していると、E介が「2階から笑い声しね?」と言い出した。

俺達は耳を澄ましてみたが、笑い声は聞こえない。E介に「気のせいじゃないか?」といったのだが、E介は気になるらしく、「見に行きたい」と言い出した。

しかし、まだ1階の探索も終っていないので、仕方なく3人ずつのグループに分けて、片方はそのまま1階を、もう片方は2階を探索する事にした。

グループわけは簡単で、同じ学校の俺とA也とB太がそのまま1階を、別の学校のC広とD幸とE介が2階を探索する事にして、何かあったら階段のところでおちあう事にして別れた。

239: 2017/07/20(木)02:01:06

暫らく探索していると、2階から突然、

「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」

と、場違いに明るい笑い声が聞こえてきた。 そしてすぐに「おいE介?どうした?おい!」と、C広とD幸の狼狽した声が聞こえてきた。

俺達が大慌てで2階に上がると、一番奥の部屋に3人はいた。 笑い声の主はE介で、窓のほうを向いてまだ、「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」と大声で笑っている。

そしてその横にC広とD幸がいて、真っ青な顔でE介を揺さぶったり頬を引っ叩いたりしていた。

俺達もただ事では無いと、3人のところに行って前に回りこんでE介の顔を見たとき、 俺は今、自分たちが置かれている状況の深刻さに始めて気が付いた。

E介はほんとにおかしそうに笑い声を上げているのだが、顔は無表情で、しかも目からは大粒の涙を流している。それに何か臭いとおもったら、どうやら失禁しているらしい。

E介はまるで、俺達の事が見えていないかのように泣きながら笑い続けている。 俺達が狼狽してE介に呼びかけていると、その場で一番冷静だったB太が「とりあえずE介このままにしておけないし、合宿所まで運ぼう」と言ってきた。

240: 2017/07/20(木)02:01:15

そして、俺達はE介の手足と肩をもち、外へと運び出そうと1階までE介を運んだ。

が、そこで問題がおきた。

ドアを開けようとしたB太が、声を震わせながら大声で「ドア開かねーよ!」と言ってきた。

俺達はE介を廊下に降ろし、みんなでドアを開けようとしたのだが、さっきは簡単に開いたのに今はびくともせず、6人の中で一番体格の良いA也がドアにタックルしてみたのだが、それでもまるで開く気配が無い。

俺達は軽くパニックになり顔を見合わせていると、2階から微かに「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」と、まるで抑揚の無い機械的な声というか、音というかが聞こえてきた。 E介はまだ床に寝転がされたまま笑っている。

とにかく外にでないといけない、そう考えた俺は、1階のリビングが、ガラスのサッシのみで割れば出れそうな事を思い出し、4人にそれを伝えると、リビングへと向かう事にした。 その時、ふと俺は階段の上を見て絶句した。

階段の踊り場の少し上ところから、子供の顔がのぞきこんでいる。

月明かりが逆光になっていて、表情とかは何も分からないが、顔のサイズや髪型からさっきの子供とわかった。

相変わらず「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」という声も聞こえてくる。どうやら声の主はこの子供らしい。

241: 2017/07/20(木)02:01:23

しかし何かがおかしい、違和感がある。

俺はすぐに違和感の正体に気が付いた。

子供は階段の手すりからかなり身を乗り出しているはずなのだが、なぜか頭しか見えない。 あれだけ乗り出せば、肩辺りは見えても良いはずなのだが… 俺がそんな事を考えながら階段の上を凝視していると、C広が「おい何してんだ、早く出ようぜ、ここやべーよ!」と、俺の腕を掴んでリビングへと引っ張った。

俺には一瞬の事に見えたが、どうも残りの4人がE介をリビングへ運び込み、窓ガラスを割り、打ち付けてある板を壊すまで、ずっと俺は上の子供を凝視していたらしい。

俺は何がなんだか解らず、とりあえず逃げなければいけないと、皆でE介を担いで外へとでた。

外へ出ても相変わらず、「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」という声は、家の中から聞こえてくる。 俺達はE介を担ぎ、D幸が合宿所へ先生たちを呼びに行った。

242: 2017/07/20(木)02:01:34

その後、E介は救急車で運ばれた。

俺達は先生方に散々説教をされ、こんな事件があったので合宿はその日で中止となった。

帰宅準備をしていた昼頃、十台くらいの数の車が合宿所にやってきた。
中から20人ほどのおじさんやおじいさん、あと地元の消防団らしき人が降りて、顧問の先生たちと何か話しをすると、合宿所の裏に回り、例の家の周りにロープのようなものを貼り、柵?のようなものを作り始めた。

俺達は何事なのかと聞いてみたが、顧問の先生たちは何も教えてくれず、そのままバスで地元へと帰った。

E介は2日ほど入院していたが、その後どこか別の場所へ運ばれ、4日後には何事もなかったように帰ってきた。後から事情を聞いてみると、E介には、家に入ったところから昨日までの記憶が何もなかったらしい。

243: 2017/07/20(木)02:01:44

E介が帰ってきた日の夜、俺が自分の部屋で寝転がってメールしていると、一瞬、「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」という、あの声が聞こえた気がした。

びっくりして起き上がり、カーテンを開けて外を見たりしたが、いつもの景色で何も無い。俺は「気のせいかな?」と、起き上がったついでに1階に飲み物を取りに行くことにした。

俺の家はL字型になっていて、自室は車庫の上に乗っかるような形になっている。 冷蔵庫からペットボトルのお茶を取り出し2階へ上がると、丁度階段を上がったところの窓のカーテンの隙間から、僅かに自室の屋根の部分が少し見えた。

すると、屋根の上に何かがいる…

この前あんな事があったばかりなだけに、ビビりまくった俺が窓からカーテンを少し開けて外の様子をのぞくと、屋根の上に和服を着た子供が、両手を膝の上にそろえて正座しているのが見えた。

それだけでもかなり異様な光景なのだが、それだけではなかった。 子供は体を少し前かがみにして、下を覗きこむような姿勢なのだが、首のあるはずの部分から、細長い真っ直ぐの棒のようなものが1mほどのびていて、その先にある頭が、俺の部屋の窓を覗き込んでいた。

244: 2017/07/20(木)02:01:52


覗く子供「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」という声も、窓越しにわずかに聞こえてくる。 俺はあまりの出来事に声も出せず、そのまま後ずさりすると1階へ下りた。

寝ている親を起そうかとも思ったが、これで起してあれがもういなかったらそれこそ恥ずかしい… その時なぜかそう思った俺は、そのまま1階のリビングで徹夜した。たしか朝4時過ぎまで、「ホホホ…」という声は聞こえていたと思う。

翌朝、恐る恐る部屋に戻ってみたが、あれはいなくなっており、室内にも特に変わった部分は無かった。

その日の昼頃、自宅の電話に顧問の先生から電話があった。この前の件で話があるからすぐに来いという。 昨晩のこともあった俺は、嫌な予感がして大急ぎで学校へと向かう事にした。

245: 2017/07/20(木)02:02:04

学校へ到着すると、生徒会などで使っている会議室に呼ばれた。会議室に入ると、A也、B太、それにC広とD幸までいる。更に、うちの学校とC広たちの学校の顧問の先生たち、それと見た事の無いおじさんたちも数人いた。

まず、顧問の先生のうち1人が話し始めた。

要約すると、E介にまた同じ症状だでたらしく、とある場所に運ばれたらしい。そして、俺達に「昨夜おかしな事はなかったか?」と聞いてきた。

俺はすぐさま昨夜のあれを思い出し、「あのー、深夜になんか変なのが俺の部屋を覗き込んでるのが見えて…」と事情を話した。

A也、B太、C広、D幸には特に異常はなかったらしい。

するとC広が、「そういやお前(俺)さ、あの家の中で、階段の上眺めながらボーっとしてたよな?あれ関係あるんじゃないか?」 と言い出した。

246: 2017/07/20(木)02:02:16

そういえば…
俺はあのときの事を思い出し、皆に「あの時さ、変な笑い声みたいなのと、なんか子供の姿見たよな?」と聞いてみた。

しかしみんなは、声はずっと聞こえていたけど、子供の姿は最初のドアのところで見ただけで、家の中では見ていないという。

俺達がそんなやり取りをしていると、さっきまで黙っていたおじさんが、事件の詳細を話し始めた。

非常に長い話だったので要約すると。

俺達がであったのは、「ひょうせ」と呼ばれるものらしい。

これはあの土地特有の妖怪のようなもので、滅多に姿を見せないが、稀に妊婦や不妊の家の屋根に現れて、笑い声をあげるらしい。

そうすると、妊婦は安産し、不妊の夫婦には子供が産まれるという、非常に縁起の良いものだそうな。

ただし、理由は全く分からないが、数十年に一度、なぜか子供を襲い憑り殺してしまうという、厄介な存在でもあった。

ちなみにあの家は、全くいわくも何もなく、ただ「ひょうせ」が偶然現れただけの場所なのだが、「ひょうせ」が子供を憑り殺そうとした場合、それに対する対抗策があり、「ひょうせ」が最初に現れた場所に結界を作り封じ込め、簡易的な祠をつくって奉ることで、殺されるのを防ぐ事ができるらしい。

合宿所から帰る直前、俺達が見たのは、その封じ込め作業だったわけだ。

247: 2017/07/20(木)02:02:24

おじさんは続けて、ただ今回は何かおかしいのだという。 普通、祠をつくって奉ればそれで終るはずなのだが、今回はどういうわけだが逃げられてしまって、E介がまた被害に会い、しかも俺のところにまで現れている。

それに、そもそも現れるだけでも珍しい「ひょうせ」が、自分達の村とその周辺以外に現れる、というのも全く前例がないうえに、「ひょうせ」が前回子供を襲ったのは20年ほど前で、早すぎるのだそうな。

ただ、おかしいおかしいといっても、現実に起きてしまっているのだから仕方が無い。俺達は学校で、村から来たお坊さんに簡易的な祈祷をしてもらい、お札を貰って、「君たちはこれで大丈夫だろう」と言われ帰された。

ちなみに、E介に関しては、暫らくお寺で預かって様子を見て、その間にもう一度祠を建てて、「ひょうせ」を奉ってみるとの事だった。

学校から帰された俺達は、各々迎えに来ていた親に連れられて帰る予定だったのだが、 話し合って、ひとまず学校から一番近い俺の家に全員で泊まることにした。安全と言われていてもやはり不安だし、全員でいたほうが少しは心細く無いと思ったからだった。

その夜、俺達が部屋でゲームしていると、コン…コン…コン…コン…と、窓を規則的に叩く音がした。

248: 2017/07/20(木)02:02:35

さっき説明した通り、俺の部屋は車庫の上にあり、壁もほぼ垂直なので、よじ登って窓を叩くなどまずできない。しかも、その窓は昨晩、例の子供が覗き込んでいた窓だ…

状況が状況だけに、全員が顔をこわばらせていると、B太が強がって「なんだよ、流石に誰かの悪戯か風のせいだろ?」と、カーテンを開けようとした。 俺は大慌てでB太に事情を話し、カーテンをあけるのを踏みとどまらせた。

窓を叩く音はまだ続いている。

D幸が、「やっぱ正体確認したほうがよくね?分からないままのほうが余計こえーよ…」と言ってきた。

たしかに、何かその通りな気がした。なんだか分からないものが一晩中窓を叩いている状況なんて、とても耐えられそうに無い。 俺達は階段のところまで移動し、カーテンを少し開けて、隙間から俺の部屋を見てみた。

いた…

昨日のあれが、やはり昨日と同じように首をらしき棒を伸ばし、窓から俺の部屋を覗き込んでいる。そして時々、コン…コン…と頭を窓にぶつけている。

249: 2017/07/20(木)02:02:43

「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」という、例の抑揚の無い笑い声のようなものも聞こえてきた。 音の正体はこれだった。 異様な光景だった。

そして、昨日は気付かなかったが、あれは子供と言うより、和服を来た人形のようだった。 頭が窓にぶつかる音も、人間の頭と言うより、中身が空洞の人形のような音だ。

C広が、「ひょうせって、今日もう一度封じ込めたんじゃねーのかよ…」と呟いた。

その時、俺の親父が騒ぎに気付いて、「お前ら何やってるんだ?」と階段を上がってきた。

その声にびっくりしたA也が、思わず腕を窓にぶつけて、ドン!と大きな音を立ててしまった。

250: 2017/07/20(木)02:02:54

“それ”の棒の先にある頭だけが、カクンッという感じでこっちを向いた。

俺達は顔をはっきりと見た。

“それ”はおかっぱ頭で、笑顔の人形だった。ただし、ただの人形ではない。 顔は人形特有の真っ白な肌なのだが、笑顔のはずの目は中身が真っ黒で、目玉らしきものが見えない。口も同じで、唇らしきものもなく、そこにはやはりぽっかりと真っ暗な、三日月状の穴のようなものがある。

それでも、目や口の曲線で、「にっこり」と言う感じの笑顔だと分かるのが余計に不気味だった。

親父が、「だからお前ら何やってるんだ?」と、窓のところに来てカーテンを全開にすると、それはサッ!と屋根の影に隠れて見えなくなった。

が、親父にも一瞬、何かがそこにいたのは分かったらしい。 親父は大慌てで1階に降りると、携帯でどこかに電話をし始めた。

どうやら、昼間祈祷をしてくれたおぼうさんや、おじさん達の連絡先を聞いていたらしく、そこと顧問の先生のところに電話しているらしい。

その後、影に隠れたきり、”それ”は二度と姿を現さなかった。

251: 2017/07/20(木)02:03:12

朝になり、昨日のおじさんたちや顧問の先生などが俺の家に来た。 とりあえず異常事態ということで、全員を合宿所近くにあるお寺まで連れて行くという。

みんなの親たちも俺の家に来たのだが、おじさんが「被害が更に拡大するといけないから、親御さんは来ないほうがいい」と言うことで、行くのは俺達だけになった。 俺達は着の身着のまま車に乗せられ出発した。

昼前にお寺に到着した。
お寺に入ると、ジャージ姿でゲッソリとした感じのE介が、俺達を出迎えた。 E介によると、あれから色々あったが、なんとか今のところは助かっているらしい。 本堂に入ると、お坊さんと昨日のおじさんが、昨晩の出来事を詳しく教えてほしいと言ってきた。

俺達が順番に状況を話していると、人形の姿の説明のところで、おじさんが「ちょと待った、人形?首が長い?何の話をしているんだ?」と驚いた顔で言ってきた。

そして、俺達が昨日みた人形の姿を改めて説明すると、お坊さんと、「いや、これはひょうせじゃないぞ、どうなってるんだ?」 「おかしいとおもったんだ。色々辻褄が合わない」 と、2人で話し合い始めた。

252: 2017/07/20(木)02:03:24

そして暫らく話し合った後、俺達に状況を説明してくれた。

結論から言えば、「ひょうせ」に憑りつかれていたというのは全くの勘違いで、 どうも俺達に付き纏っているものの正体は、全く別の何からしい。 俺は、今更それはねーだろ…と思った。

おじさんが続けた。最初状況を聞いたとき、

・子供のような姿
・笑い声
・生徒がおかしくなって笑いながら泣いている
・村の近く

と言う状況から、「ひょうせ」だと思ったらしいが、どうも今詳しく話を聞いてみると、「ひょうせ」のしわざと症状は似ているが、姿形が、まるで伝承や過去の目撃証言と違うらしい。

そもそも「ひょうせ」というのは、子供くらいの姿をした毛むくじゃらの猿のような姿で、服も着ていないしおかっぱ頭でもないし、当然、首ものびたりもしないようだ。

笑い声も、俺達の聞いたようようの無い機械的なものではなく、笑い声といっても、猿の鳴き声に近いとの事だった。

253: 2017/07/20(木)02:03:31

俺達は途方にくれてしまった。
ぶっちゃけ、この寺に来れば全部解決すると思い込んでいたのに、今更「なんだかわからない」では、どうしたらいいのか…

室内が重苦しい雰囲気になり、皆しばらく沈黙していると、お坊さんがこう言ってきた。

「とりあえず、何か良くないものがいるのは間違いない。少し離れたところに、こういう事に詳しい住職がいるので、その人を応援に呼んでくる。暫らく皆、座敷でまっていてほしい」

そういうと、車に乗りどこかへ行ってしまった。 俺達は座敷に通され呆然としていた。 おじさんはしきりにどこかへ電話をし、かなりもめているように見えた。

夕方になり、お坊さんが別のお坊さんを連れて戻ってきた。 お坊さんが戻ってくると同時に、さっきのおじさんが携帯を片手に「えらい事になった!」と、お坊さんのところに走り寄って来た。

話を聞いていると、どうも村の子供が1人、E介と同じ症状でいるところを発見されたらしく、これからこっちへつれてくるという。

この寺のお坊さんが俺達に、「とりあえず後で話をするから、ひとまず君たちはさっきの座敷で待っていてくれ」というと、大慌てで2人で本堂のほうへと歩いていった。

254: 2017/07/20(木)02:03:41

それから15分ほどすると、ワゴン車がやってきた。

車の中からは、E介のときと同じように、けたたましい笑い声がする。 車の扉が開き、中から数人の大人と、笑い声を上げる以外身動き一つしない中学生くらいの子供が運び出され、本堂へと連れて行かれた。

暫く本堂の中から、「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」という、笑い声とお経を読む音が聞こえていたが、それも10分くらいで収まり静かになった。

それから更に15分ほどすると、お坊さん2人が俺達のいる座敷に入ってきて、色々と説明し始めた。

さっきの子供のほうは消耗が激しいので、本堂に布団を敷いてそのまま寝かせているらしい。

応援でやって来たお坊さんによると、どうも話を聞いた感じやさっきの子供の様子から見て、幽霊や妖怪のようなものが原因ではなく、何かしらの呪物が原因ではないかという。 特に根拠があるわけではないけれど、感覚的にそう感じるらしい。

255: 2017/07/20(木)02:03:50

そして、呪物の類だとすると、と前置きし、恐らく、祈祷で呪物と君たちの縁を切ってしまえば、なんとかなるのではないかと。そして、できればその人形も供養してしまいたい、とのことだった。

とりあえずそういう話でまとまったという事で、俺達もそれで解決できるなら早くしてほしいと、話がまとまた。と、その前に、俺はずっと我慢していたのだがトイレに行きたくなった。

事情を話し、「でも一人じゃなぁ…」と思っていると、他のやつも全員我慢していたらしく、結局6人で連れションすることになった。

トイレからの帰り道、本堂へ続く廊下を歩いていると、どこからか「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」という、例の抑揚の無い声が聞こえてきた。

場所は分からないが、あれがすぐ近くにいるようだ…

C広が「近くにいるよな…」というと、A也が「かなり近いぞ、やばくね?」と返した。

たしかにかなり近い。でも姿は見えない。 すると最後尾にいたE介とD幸が、「やばい、早く本堂に逃げろ!」と、窓の上のほうを指差しながら叫んだ。

256: 2017/07/20(木)02:03:59

俺達が指差した方向へ振り向くと、それはいた…

前と同じように屋根から頭だけを突き出し、「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」と笑いながら、例の真っ黒な目と口の顔をこちらに向けながら、ニコニコと笑っている。俺たちは全力で逃げ出した。

本堂に着くと、お坊さん2人とさっきのおじさんが待っていた。今になって気付いたのだが、おじさんはどうもこの村の村長さんらしい。俺達が事情を話すと、お坊さん達はすぐさま俺達を座らせ、お経を読み始めた。

暫らくお経を読んでいると、本堂の天井のほうから、「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」という例の笑い声と、コツ…コツ…という、俺の部屋で聞いたあの音が聞こえてきた。俺達はビビりまくって身を寄せ合っていた。

暫らくすると声が聞こえなくなった。

俺が「終ったか?」と言い切らないうちに、今度は本堂の横の庭のほうから、「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」という声が聞こえ始めた。

257: 2017/07/20(木)02:04:09

そして、薄暗くなり始めた本堂の障子に、夕日に照らされたあの人形のあたまが映し出された。 あたまはユラユラ揺れながら、相変わらずあんぽ不気味な笑い声で笑っている。

その時、俺は恐怖心と不安感と連日の寝不足で、もう耐えられなくなって、ちょっとおかしくなっていたんだとおもう。

人形の影を見て、恐怖心よりもその姿にイラつきはじめた。ユラユラ揺れている姿を見ると、とにかくなんだか良く分からないがムカついてきて、とうとう我慢できなくなった。

俺はお坊さん達がお経を読んでいる横の鉄の燭台を掴むと、蝋燭もささったまま引き抜き、周りが制止するのも振りきり障子を開けた。

目の前にあの人形の顔があった。

一瞬俺は恐怖心に襲われたが、怒りとイラつきが勝って、そのまま燭台をぶら下がっている人形の頭めがけ、「ふざけんなーーーーーーーーーー!」と叫びながら振り下ろした。

258: 2017/07/20(木)02:04:18

バキッ!という音がして、燭台の先端が人形の顔にめり込み、そのまま人形は地面に落下した。 俺は裸足のまま庭に下りると、更に燭台を振りかぶり人形に打ち下ろした。 すると、なにか頭の中に妙な感覚が芽生え始めた。

人形はそれでもなお、「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」と無機質に笑っている。

俺はおかしくも無いのに笑いたくなり、なきたくも無いのに目からボロボロと涙が零れ落ちてくる。 明らかにE介たちと同じ状況になりつつあるのだが、それでも俺は燭台を振りかぶり、人形に打ち下ろすのをやめなかった。 あとから話を聞くと、俺はゲラゲラと笑いながら、無表情でボロボロと涙を流していたらしい。

暫らくそんな状態が続いていると、どうも燭台に残っていた蝋燭の火が人形の服に燃え移ったらしく、人形が煙を上げて燃え始めた。

友人たちによると、人形の「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」という笑い声と、俺の絶叫が交じり合い、薄暗くなり始めた周囲の雰囲気とあわさって、異様な状況だったという。

259: 2017/07/20(木)02:04:26

それでも俺は、笑い泣きしながら殴り続けていると、どこを殴ったのかよくわからないが、メキッ!という鈍い音がした。

その途端、俺の中の妙な感情が消えた。

消えたというか、急にシラケてしまったといえば良いのだろうか、とにかく人形に対するイラつきも、笑いたいという気持ちも、泣きたいという気持ちも、急になくなってしまった。

俺はその場にヘタり込み、友人たちやおじさんが「…大丈夫か?」と心配そうに近付いてきた。 人形はもう笑ってもいないし動きもしないが、燃えたままでは不味いので、友人たちとおじさんが砂を掛けて消していた。

260: 2017/07/20(木)02:04:36

理由は分からないが、俺は何故か全て解決したような、そんな良い気分になっていた。

この騒ぎの中、お坊さん2人はずっとお経を読み続けていたらしい。

人形(もう殆ど残骸に近かったが…)の事は明日詳しく調べる事になり、箱に入れてお札を貼り、本堂に安置する事になった。

俺達はお坊さんの好意で、そのままお寺に泊まることにした。

翌朝。俺達は本堂に呼ばれた。

どうやら、お経のお陰なのか、俺がぶち切れたのが原因なのか、理由ははっきりしないが、 どうも一応解決はしたらしい。

そして、人形はこのままこのお寺で供養する事になったのだが、結局この人形が何なのか、その辺りは謎のままだった。

261: 2017/07/20(木)02:04:51

ただ、燃え残った人形の胴体に、焼け焦げ消えかかった文字で、「寛保二年」という記述と、完全に燃えて文字数しかわからない作者の名前6文字、それと、はっきりとは分からないので、残っている文字の痕跡からの推測だが、「渦人形」という単語が読み取れた。

お坊さんが言うには、とにかく正体は不明だが、何らかの呪物である事はまちがいないらしい。

燃え残った残骸に、頭と動を繋ぐ棒の部分があったのだが、そこにびっしりと、何か呪術的な模様が書かれていた痕跡があるのが、確認できたとの事だった。

その後、今に至るまで、俺も含め当時のメンバーには、知る限り何も起こっていない。

お寺のお坊さんからは、人形の正体がわかったら連絡をくれるという話だったが、あれから数年経つが、未だその連絡も来ない。

終わり

262: 2017/07/20(木)02:05:31

オカ板から転載「渦人形・ひょうせ」

めっちゃピースしてる少女の幽霊をご覧ください…ハッキリと写真に写りこむメキシコ・シティ国際空港の有名な少女の幽霊
引用元 ピースサイン ボディーランゲージの一種。日本では、微笑みながら顔の近くでV字を外に向かって作り、喜びや親愛の情を意味...

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