仕事中にあったちょっと怖い実話を語る
それは十年ほども前、勤めてる会社がとある山を自然公園にする工事を請け負って 俺が現場代理人として担当した時の話だ
書き溜めもない底辺建設業従事者の思い出話だけど、暇なら寄ってってくれまいか
以下、2chの反応
その山は人里からも近く、そもそも地元の人は軽い登山に訪れたりもするところだった
それもあってもうちょっときちんとした遊歩道を整備したり 見晴らしの良いところは切り開いて展望台にしたりする事が目的の工事だったんだ
オカルトか
>>4
オカルトめいてるけど、完全に実話だ
最初はかなり獣道に近いような道しかなく、それを切り開くところから工事は始まった
まずはその範囲の測量になるわな
なので獣道とは関係なく、範囲の外周となるラインを藪をナタで切り開きながら進んだんだ
途中でイノシシに遭ったりもしながら、それも怖かったんだけど
三日目くらいかな、沢づたいに初めて尾根まで達した時だ
そこにたぶんこの山で一番大きいであろうマツの木があった 暑い時期だったからその下で休憩したんだよ
ほうほう
期待
幹は胸の高さで直径1m弱くらいはあったかな、立派な木だった
少し休んだあと立ち上がってしげしげを木を眺めたんだ そんでひび割れた幹肌を撫でてると
…ぶっとい五寸釘が
かなり錆びてたけど脆くなるほどじゃなくて、たぶん十年とかそこら以内のものだった
もうどう考えてもワラで作った人型のアレを打ち付けたとしか思えない高さ
しかもそこって元々の獣道っぽい道さえも無いところでさ
まずそこで軽くゾッとはしたんだ
なによりそれを打つに相応しい時間帯に、一人でこの山を沢づたいに登ってきただろうその主の精神状態を思うと怖かった
…なんだけど、この五寸釘のエピソードはこれだけのもの、ゾッとしただけで終わり
本番というかメインはこの後でね
尾根づたいは比較的藪が薄くて、そのままでも歩けないことはなかった
けど低い笹とか茂ってて測量の杭とか打てないから、翌日草刈機を持ち込んで続きを開き、測っていったんだ
図面中の直線距離分、およそメジャーを引っ張って測りつつ進んで 時々エンジンとめて「この辺ー?」「あと8mくらいー」って言いながらまた進めて
いいくらい進んだところで測量器を覗いて、刈って進んだ奴がその的を立ててね
でも方向はおよそだったから、30m先の地点では数m横にずれてた
「悪いー、ちょっと右だったー」
「こっちー?」
「まだまだー」
見えるかな…刈りなおさなきゃいけないかな…って思いつつ相手を誘導してたら
その相手が突然「わっ」って声と共に笹藪に消えた
崖でもあったかと思って駆け寄ると、転んだというかちょっとした穴に下半身を落としそうになっただけだった
「大丈夫か?」
「大丈夫だけど、この穴深いぞ。足がつかなかった」
穴の直径は1mほど、地上から50cmくらい下では水が溜まってて、相方は膝から下をビショビショにしてた
周りは平坦だったから明らかに人工の穴と解った なにより形が真四角だったんだ
井戸かな
1枚2枚3枚
この2chスレまとめへの反応
造園業ってのもニッチではあるけど、需要の無くならない職業だな。